労働慣行を変えれば女性の就業率は上がるのか
はじめに
日本の雇用慣行は基本,新規学校卒業者のみを正規従業員として採用し,特別な場合を除いて定年まで雇用する制度である「終身雇用制」と,そのもとで賃金の額が労働の内容や能力よりも勤続年数の長さに比例する「年功序列型賃金」がある.だが多くの女性は出産・子育てのための休養期間が必要なため,長期雇用を前提としている日本の雇用慣行は女性にとって不利な制度である.また,家事や育児をする女性にとって労働時間が拘束されている多くの企業は,女性にとって両立が難しいものである.それに対して,ヨーロッパ、特に90年代からオランダの雇用慣行では,女性の就業率が急上昇している.
そこで私は日本の慣習も考えて,他国の雇用制度を参考に取り入れていけば女性の就業率はあがるのではないかと考えた.本稿では,他国の雇用制度を論じていくとともに,日本でも同じような待遇をとっていけば女性の就業率は上がっていくか考えていく.
どうして女性の労働力率をあげなくてはならないのか
まず,どうして日本の女性の労働力率をあげなくてはならないのかを述べていく.
後に本稿で述べるが,...