合格したレポートです。参考にしてください。
大乗仏教の思想的な特徴について、「菩薩」「六波羅蜜」「空」「利他行」といった用語を用いて説明しなさい。
現在の我が国で行われている仏教各宗のすべては大乗仏教といわれる仏教である。『般若経』『法華経』『華厳経』『無量寿経』『阿弥陀経』『維摩経』といった日本人になじみのある仏教経典はすべて大乗仏教から生れた経典である。今から大乗仏教の思想的な4つの特徴について見ていきたい。一つ目の特徴に利他行がある。伝統的仏教教団では、その目的を仏陀になることではなく、三阿僧祇劫という天文学的時間を経て修行を積み重ね、阿羅漢という仏弟子として最高位を目指すことにおいていた。大乗仏教では仏陀になろうとする誓いを立てて、修行を続ける菩薩の上に理想の人格像を見出した。自己の悟りではなく、他者の救済を優先するものであった。この世に救済されるべき人が存在する限り、菩薩は他者救済の行い(菩薩行)を無限に続けねばならない。仏陀観では仏陀が悟った法(ダルマ)こそ、仏侘の本質であり、人間の肉体を備えた仏侘(色身)を超えて、真理そのものとしての存在(法身)を認める思想であった。またすべての生きとし生けるものには本来清らかな心...