実験の意義について、実験を紹介しながら考察している。
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はじめに
科学の研究において実験というものは必要不可欠であるということは常識として認識されている。それは心理学の研究においても同様である。
まず、実験の役割については次の三つの機能が挙げられている。①常識からすでに知っている現象を実験によってより精密に捉えるという機能。②ある仮説が提出された時、それが事実に適合するか否かを実験によって検証するという機能。③常識からも、あるいは、従来の研究からも知られていなかった新しい事実を発見するという機能(1)。である。
記憶に関する研究は、心理学において大きな位置を占めてきた。エビングハウスの記憶実験は有名であり、近代心理学の記憶の研究に大きな影響を与えた。また、記憶には短期記憶や長期記憶、エピソード記憶や意味記憶など、さまざまな種類に区別される。
そこで、本レポートでは、堀田、多鹿の記憶に関する実験を紹介しながら、その実験の意義についてもあわせて考察していくことにする。
『反復テストが学習材料の長期の記憶成績に及ぼす効果―実験室実験から実践場面への適応―』
実験の目的
テストというものは、学習者の理解度を確認するためだけでなく、学習材料を...