合格済レポート例 課題1「漢字の成立と書体の変化について説明しなさい。」 要点をしぼって分かりやすくまとめております。
参考文献:三宅相舟編著『入門書道 基礎から応用まで』(雄山閣)1999
「甲骨文字」は現存最古の文字である。光緒25年(1899年)に王懿栄と劉鶚が、北京の薬店で買った竜骨という獣骨片に古代文字が刻まれているのを発見する。これは殷王朝の都であった殷墟から、この年に出土した亀甲や獣骨片の一部だった。つまり、殷代の文字である。殷時代は、政治も日常生活もすべてト占により神意を問うて行われ、亀甲や牛骨の裏側に菱形の穴をあけ、そこに火をあてて表面の亀裂を見て神意を確かめていた。その結果を墨や朱で書き、青銅製の小刀で彫ったものが、甲骨文字である。線は直線的で単調であり、象形の要素が見られる字形と符号化した字が不規則にまざっている。
その後、殷から周の時代にかけて青銅器文化が栄え、文字が青銅器に鋳刻されるようになる。これを「金文」という。西周期になると、文字の形も整えられてきて、規模雄大で、力強さの中に文字の大小、また線質に太さや細さなどの変化も表れるようになった。大盂鼎、毛公鼎、散氏盤などが代表例である。書体の上では、甲骨文字と金文をともに「古文」とよぶ。
戦国時代に入り、最強国となった秦は石鼓に直接文字を書丹し、それを刻んだ石鼓文を使用した。これを書体では「大...