参考文献:『教員・教職志望者のための教育法の基礎』樋口修資著,明星大学出版部,2015年
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1.「国民の教育を受ける権利」は、憲法第
26条において規定されており、憲法で定め
る基本的人権のうち、その性質上、「社会的
基本権」に属する。そして、憲法第25条第
1項で定められている生存権の「文化的側面」
として、第26条の規定は、国民が等しく教
育を受ける権利を有することを宣言し、それ
を保障している。また、憲法第26条第2項
においては、第1項で保障されている「教育
を受ける権利」を最低限度実現させる手段と
して、国民に対しその子女に普通教育を受け
させる義務を負わせ、かつその費用を国にお
いて負担すべきことを宣言しており、国は国
民に課せられた子女を就学させる義務が現実
に履行され得るよう、義務教育制度の整備な
どの必要な措置を講ずべき責務を負っている。
すなわち、憲法第26条第1項における
「教育を受ける権利」とは、その保障のため
に国が法律を定め、適切な公教育制度の確立
など積極的な措置をとるべき旨を、国家に義
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務付けるものであり、この国家の責務の遂行
によって利益...