佛教大学の通信教育課程で、2016年度にB判定にて合格したリポートです。
コードは、高等学校地理歴史、公民、中学校社会課程のQ0704です。
コードが違っても、設題が同じ場合はご参考にして頂けるかと存じます。
第2設題についてまとめております。
あくまでも、参考用としてご利用ください。
丸写し等は一切禁止されております。
十分にご注意願います。
第2設題:医療をめぐる法律問題について。
1.医療と法
医療と法について考えるとき、主に2つの観点から考えることができる。それは、患者の医療に関する権利の確立についての諸問題と、急速な医療の進歩により発生した一連の諸問題に関するものである。
患者の権利に対する諸問題とは、従来、恩恵的・権威主義的色彩を帯び、必ずしも患者本位ではなかった医療が、近年はこの点を反省し、医師と患者の関係を権利義務に基づいた関係に変え、適切な医療を確立するように変化した。主に患者の自己決定権や、医療過誤に関する訴訟の増加があげられる。
医療の進歩に関する諸問題とは、医学の急速な進歩によりこれまでには考えられなった可能性を生み出し、生命の誕生や死亡、遺伝子に医学的なコントロールが及んでいる。体外受精や胚移植などの生殖医療補助や、脳死判定患者の臓器移植、人間の遺伝子やクローンに関する技術などがその例である。いずれも法の予想の範疇を超えており、利用方法によっては社会秩序を脅かす可能性があるものである。
これらは医学と法の交錯する領域で発生する問題であり、近年では「医事法」という専門分野で考えられている...