保育・教育の場において、子供を理解することはとても重要なことである。とりわけ子どもの発達についての知識を持つことが大切で、子供は一般的にどのように成長していくのかといった発達のプロセスについて知識を持つことが必要となる。一般に発達とは、「受精してから死に至るまでの心身の変化の課程」と定義される。ここには大きく二つの定義が含まれており、ひとつは子供が生まれてから発達が始まるのではなく、お母さんのお腹にいるときから発達が始まっているということである。生まれる前から新生児反射が始まっており、外側の声も胎児に届いていることが明らかになってきた。もう一つは、発達の終ん時期に関してである。「死に至るまでの心身の変化」と表現されるように、人は死ぬまで発達を続けるのである。乳幼児期から青年期にかけての身体が大きくなり、様々なことできなくなるといった、成人期から老年期にかけてみられる、いわゆる衰退・退化的な変化もそこには含まれるのである。受精から始まる人間の発達過程は大きく分けて、胎児期、乳幼児期、児童期、思春期(青年期)、成人期、中年期、老年期と分類でき、それぞれ発達の特徴や課題を有している。前述した...