佛教大学
人文地理学【Q0702】の
2018年度科目最終試験6題です。
私の時は6番が出題されました。
1. 「心象地理」の形成について具体的な事例を示して説明せよ。
2. グローバルやローカルの視点を踏まえ農業・農村地域の変貌を述べなさい。
3. 観光空間やそのイメージがメディアによって創出された具体的な地域を一つ取り上げて述べなさい。
4. 工業地理学における立地論について「立地因子」という言葉を用いながら説明せよ。
5. 「世界都市」または「グローバルシティ」について「集積」という言葉を用いながら説明せよ。
6. 都市の発達について「社会的分業」という言葉を用いながら説明せよ。
人文地理学 試験対策
1. 「心象地理」の形成について具体的な事例を示して説明せよ。
「心象地理」とは自分と関係ない離れた場所・人々・景観・自然についての表象であり、
これらのイメージは表象する者の欲望や想像、そして表象する者と表象される対象との間
の力関係を反映するとされる。つまりその地に住まない人々が、その地に勝手な価値観を
持ち、実情を無視してイメージを決めつけてしまうということである。ではこの「心象地
理」がどのように作られてしまうのか、19 世紀末(明治時代)から 1945 年まで日本の植
民地であった台湾の事例と共にみていく。第二次世界大戦以前の日本においては国立公園
が指定されたのだが、台湾でも同じように国立公園に対する動きがあった。そのための調
査に行った田村氏は台湾を、日本の植民地という状況を背景として、日本人にとって「異
国的」で「エキゾチック」な他所として位置づけられた地であり、そうしたイメージがハ
ワイのような南国楽園として観光客をひきつけると考察した。
しかし南国イメージを喚起する熱帯的風景を彼は異なる解釈でもとっていた。台湾住民
の生気と活気を失わせる...