少子化の動向と少子化が社会に与える影響について説明し、
少子化を解消するための施第・方策について考察しなさい。
現在、我が国においては、子どもを育てにくい社会が進行している。例えば、厚生労働省の統計によれば、2014年の出生数は、約百万三千人、合計特殊出生率は1.42であった。
出生数は、第二次ベビ-ブームのピークである1973年の209万人の半数以下にまで減少したことになる。また、1995年に約160万人だった保育所利用児童数は、出生数の減少にもかかわらず近年急激に増加し、2015年の保育所等利用児童数は約237万人となり、統計史上最高を更新している。さらに、平成26年度の児童相談所における児童虐待相談対応件数は約8万8千件で、全国統計が開始された平成2年度と比較すると実に約80倍となった。施設で暮らす子どもの数も増えており、社会的養護のもとにある子どもたちは、2015年現在、約4万6千人となっている。子どもが育つこと、子どもを生み育てることを社会が正当に評価していないため、子育ての苦労が喜びを上回り、いとわれていくのである。
もともと子育ては、親族や地域社会の互助を前提として行われていたが、20世紀の特に後半、わが国は高度経済成長とともに地域社会の互助が崩壊に向かい、その結果、前提として...