風神
風の神/風神(かぜのかみ)とは、第1義には、風を司る神であり、その日本語名称、さらに言えば
大和言葉に基づく名称である。同様の存在を漢語では中国語でも日本語でも「風神(日本語読み:
ふうじん)」「風伯(日本語読み:ふうはく)」「風師(日本語読み:ふうし)」といい、日本で
はシナツヒコや風三郎/風の三郎(かぜのさぶろう)および風の又三郎(かぜのまたさぶろう)など
が、中国では飛廉(いて座)や箕伯がこれに該当する神の一種といえる。
第2義には、風邪を流行らせる日本の疫病神を指す。
さらに第3義には、江戸時代の日本にいた乞食の一種で、風邪が流行った時に風邪の疫病神を追い
払うと称して門口に立ち、面をかぶり鉦(かね)や太鼓を打ち鳴らして金品をねだる者、すなわち
「風神払/風の神払い(かぜのかみはらい)」を指す。
なお、風を司るか関わるかする精霊や妖怪をもその名で呼ぶが、そもそも霊的存在である神や精霊
・妖怪に定義し得るような明確な境目などは無く、自然の色と同じように捉える側の感覚と価値観
が名称と扱いを決めているに過ぎない。
また、日本でいうところの風の神(第1義)に相当する霊的存在は世界に偏在する。文化的背景か
らして大いに異なるがゆえ、それらは様々に個性ある存在であり、春の風を運ぶ神もいれば、暴風
雨で破壊して廻る神もいる。その一方で、文化の伝播による関連性が見出される例も少なくはない
。
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