Q0505 哲学概論 第二節第

閲覧数1,953
ダウンロード数12
履歴確認

    • ページ数 : 3ページ
    • 会員880円 | 非会員1,056円

    資料紹介

    評価:よくまとまった内容であり、的確に大森の議論が把握されている。
    「過去は消えず、去りゆくのみ」を「記憶について」「幻滅論法」の議論を用いながら、まとめよ。できる限り、大森の論旨を忠実に再現してみること。その上で、十分な長さで、自分の考え、意見を、できるだけ具体的な例を挙げながら、述べよ。

    タグ

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    過去が過ぎ去るのは水の流れのようにではなく、音が消えゆくように、である。流れた水はただその場所を離れただけで追いかければまた捉えることができる。一方で音を追いかけることができないのは、音が超音速的に速いからではなく消え去るからである。音は生まれた時が死ぬ時であり、生じた時が消える時、存在する時が存在をやめる時なのである。そして消えた音は過去の音であり、その音と共に在ったもの、街や空や人の風景もまたその音と共に消え去るのではないか。つまり過去はもはや存在しておらず、存在するのはただ現在である。過去は水に流すまでもなく既に瞬く隙に消え失せている。このことは特に、動くもの、変わりゆくものを見るときに一目瞭然である。例えば、時計の針はただ現在位置にのみ存在し、過ぎた時刻を指す針は既にない。それならば、その過ぎた時刻の世界もまた既にない、というべきであろう。世界は音と同様、瞬間的消滅なのである。しかし、このような瞬間消滅的な世界を信じる人はいない。過去が完全に非罪で空虚であると考える人がいないのは、それは自分の人生や人間の歴史が完全に空虚なものだと考え、交わした約束や犯した罪、預金や借金も今は存...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。