東京福祉大学通信心理学部でA判定をもらった「関係行政論」のレポートです。心理に関する支援における法律と倫理の関係性について、秘密の保持の伴う倫理的葛藤を踏まえて、具体的な事例を
まじえながら述べよ。
【設題1】心理に関する支援における法律と倫理の関係性について、秘密の保持の伴う倫理的葛藤を踏まえて、具体的な事例をまじえながら述べよ。
本レポートでは、まず心理支援に関する法律と倫理の関係性について述べ、法的・職業倫理的観点からの秘密保持とその例外について説明する。次に秘密保持に伴う倫理的葛藤が生じる状況下の各種法律上の制約と倫理的な配慮の対立について述べ、解決策や望まれる行動について検討する。
1、心理に関する支援における法律と倫理の関係性
心理支援は何らかの心理的な問題や困難を抱えた人たちに対して行われる。問題の改善に向けて心理に関する支援活動を実践する心理職にはいくつかの社会的規範が課せられている。法律と倫理がその一部として挙げられるが、両者にはいくつかの点で違いがある。
まず法律は国家権力を背景に持っており、法律の遵守には国家の強制力が関わっている。法を犯した場合は極刑もあり得るため、法律は守るべき最低限の基準を定めていると解釈できる。
一方で倫理とは、何らかの行為を行う際に、誰にとっても重要かつ普遍的に大切だとみなされる原則的価値を指す。倫理の中でも、ある特定の職業集団が...