日大通信 倫理学基礎講読 課題2

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    資料紹介

    日本大学通信教育部
    2019~2022年度 リポート課題集

    『ゴルギアス』を精読し,本作から読み取れる範囲内で,以下の 3 点に答えて下さい。なお,答える際には課題を無視することなく,かならず「課題が要求する答え」をリポートにまとめて下さい。
    ①ソクラテスは,「弁論術は立派なものではなく,醜いものである」と主張していますが,彼はなぜそのように考えているのでしょうか。その理由をまとめて下さい。
    ②カリクレスは,欲望は抑えてはならず,それを十分に満足させて快楽を得られる優れた人こそが幸福であると考えていますが,ソクラテスはその考えには反対しています。では,その論拠はどのようなことなのでしょうか。
    ③また,ソクラテス自身はどのような人が幸福であると考えているのでしょうか。以上の 3 点について論述して下さい。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    ゴルギアスは弁論術を「真にこの世の最高の善きものである」と言っている。
    しかし、それに対してソクラテスは、弁論術を醜いものであるとはっきりと述べ
    ている。それは何故なのか。
    ソクラテスは技術とは何たるか示す為に、以下のように分類分けを試みる。そ
    もそも人間は身体と魂とに分かれ、それを扱う技術もその二つに分かれる。魂を
    扱う方の技術は政治術。身体の方は体育術と医術。政治術の中で、体育術に対応
    するのが立法術、医術に対応するのが司法術。これを図式化すると以下になる。
    人間-身体-政治術-立法術、司法術
    -魂-体育術、医術
    そして、この技術に対立する"おべっか"を表すと以下になる。
    立法術⇔ソフィストの術
    司法術⇔弁論術
    体育術⇔化粧法
    医術⇔料理法
    弁論術とは技術ではなく、うれしさと快を作り出す経験である。ソクラテスに
    言わせれば、弁論術とは政治術の中の一部門を真似た模像であると言う。それな
    のに、弁論術は、上記四部門すべてを知ったような顔をして、本物の技術にまん
    まとなりすましている。そして、善を追い求めるのではなく、ただその時その時
    に調子のいいことを言い、相手にでき...

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