M5109 (認定科目名:日本文学史/日本文学史1・日本文学史2)
●設題1
上代、中古、中世、近世の文学の特質を、それぞれの時代の特性をふまえつつ、下記の諸作品を例にして具体的に説明せよ。 〈古事記・万葉集・古今和歌集・女流日記(女性によって書かれた日記)・源氏物語・平家物語・徒然草・近世小説〉
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リポート設題(第1設題)
『上代、中古、中世、近世の文学の特質を、それぞれの時代の特性をふまえつつ、下記の諸作品を例にして具体的に説明せよ。古事記・万葉集・古今和歌集・女流日記(女性によって書かれた日記)・源氏物語・平家物語・徒然草・近世小説』〉
1.上代
五~六世紀頃の口承文学の誕生から平安遷都までを、上代と呼ぶ。この時代は、すべての自然物に神が宿ると考えられており、「言葉」にも霊魂が宿るという、言霊信仰が生まれていた。神に祈りを捧げる祭りの場では、言葉は格調高く整えられ、表現にも工夫が凝らされていた。このような言葉が祝詞となり、神についてのの語り伝えが神話となった。こうした口承の中から口承文学が誕生した。やがて漢字が日本にもたらされると、万葉仮名などの表記法が考え出され、神話や歌謡は文字によって書きとどめられ、記載文学が誕生した。大和政権は壬申の乱の後、諸国の氏族を皇室の配下に位置づける形で、史書や地誌の編纂を行った。律令体制による国家統一と、血統による大和朝廷の安定、天皇支配の正当性を強調するためである。八世紀初期の『古事記』もそのひとつである。
〇『古事記』について
古事記...