組織論の輪読発表のスライドになります。課題図書を以下に記します。
Thompson, D.[1967], Organization in Action, McGraw-Hill Company, Inc.(大月博司・廣田敏郎[2012]『行為する組織-組織と管理についての社会学的基礎-』同文館出版。)
第7章 組織体の評価
Thompson, D.[1967], Organization in Action, McGraw-Hill Company, Inc.(大月博司・廣田敏郎[2012]『行為する組織-組織と管理についての社会学的基礎-』同文館出版。)
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1. 評価の累計
完全
原因‐結果関係の理解
不完全
望ましさの基準
明確
曖昧
効率性テスト
手段合理的テスト
社会的テスト
社会的テスト
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2. インプット・プロセス・アウトプットモデル
インプット
プロセス
比較
フィードバック
アウトプット
明確な望ましい基準
効率性テスト
手段合理的テスト
インプット
プロセス
比較
フィードバック
アウトプット
曖昧な望ましい基準
社会的テスト
社会的テスト
・経験的な準拠集団
・社会的な準拠集団
効率性テスト>手段合理的テスト>社会的テスト
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3. 組織体の評価(制度レベル)
効率性テスト>手段的合理性テスト>社会的テスト(命題7.1)
組織体の評価は、社会的テストによって行われる。
満足化の観点から「将来に対する組織の適合度」によって評価される(命題7.2)。
曖昧な基準(満足化基準)は、タスク環境によって決定される。
比較的安定なタスク環境→過去の業績との比較(命題7.2a)
動態的なタスク環境→他の組織との比較(命題7.2b)
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5. 組織体の評価(多次元的組織)
組織が多次元的である場合……
つまり、評価担当者が複数いるにもかかわらず、すべての満足化基準を満たすことができない場合……
タスク環境の有力な主体が関心をもつ次元において改善を示そうとする(命題7.3) 。
タスク環境の有力な主体にとって、最も目立つ基準に関して、良好な結果を得ていることを強調する(命題7.4) 。
組織内部の基準で高い評価を得られない場合、外的な評価を得ようとする(命題7.5) 。
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6. 部門の評価
テクノロジー(プロセス)が、手段合理的に完全であり、タスク環境が安定的あるいは緩衝化されている場合……
過去との比較から、効率性を評価する(命題7.6) 。
上記の場合、相互依存関係を解明し、各部門の効率性を評価する(命題7.7) 。
手段合理的に不完全である場合……
組織の合理性を評価する(命題7.8) 。
組織の合理性を評価する場合、互依存関係が……
ルールを通じてコントロール→ルールの順守、あるいは逸脱を評価する(命題7.8a) 。
スケジュール化を通じてコントロ-ル→割り当て作業の充足度を評価する(命題7.8b) 。
相互調節を通じてコントロール→部門間の信頼を評価する(命題7.8c) 。
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7. 部門の評価(自律的な場合)
ある部門が自律的であるために、その他の部門によって評価ができない場合……
外的な評価基準によって評価する(命題7.9) 。
各部門が複数の評価基準によって評価する場合……
相対的な重みづけをして、優先順位を明確にする(命題7.10) 。
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8. 報告者の疑問
命題7.4、7.5a、7.5bは、同時に満たすことができるのか?
たとえば、株価が、株主(タスク環境の有力な要素主体)にとって重要である場合、株価に注意を払う(命題7.4)。
組織内部の評価尺度が低いために、外的評価尺度(株価)を得ようとする(命題7.5)。
さらに、株主(タスク環境の要素主体)は、企業を適切に評価する技術を持たない(命題7.5a)。
そのうえ、原因‐結果関係に関する知識も十分でない(命題7.5b)。
→以上の場合、すべての命題は並立できるのだろうか?
命題7.7で、どうやって「相互依存関係がどのようなものかを解明」するのか?
命題7.8のケースで、「信頼」をどうやって測定・管理するのか?
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