「セルフヘルプグループ(自助グループ)」に対する精神保健福祉士のサポートや役割について考察 1500 字程度
(はじめに)
セルフヘルプグループとは厚労省によると、「同じ問題をかかえる人たちが集まり、相互理解や支援をし合うグループ」と定義している(1)。一般に、心身障害や依存症、犯罪被害、慢性疾患、アルコール、薬物など何らかの生活課題や生きにくさを抱えた当事者やその家族のグループである。基本的には同じ問題を持つメンバーが顔の見える小集団として活動し、AA などの全国組織に展開することもある。岡はセルフヘルプグループでの同じ体験の共有を「わかちあい」と表現し、分かち合いには「気持ち、情報、考え方」の三つの要素が存在すると述べている(2)。つまり、グループでは相互に分かち合いの中で、専門的な援助関係における「支える側」「支えられる側」という枠組みを超えた相互作用として気持ちや情報、考え方が共有されることによって、仲間同士の共感が行われ自尊心や自己効力感を感じることで当事者の問題解決能力の向上が見込まれる。そのため、対等な関係であるメンバーの中で自分の回復だけではなく、自分の経験を語り...