入唐・入宋の日本僧—円仁の『入唐求法巡礼行記』に見る在唐新羅人社会について—

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    入唐・入宋の日本僧
    ———円仁の『入唐求法巡礼行記』に見る在唐新羅人社会について———
    目的(入唐・入宋の僧達)
     日本から仏法を求めて中国大陸に訪れた最初の仏教者は、遣隋使船に乗り込んだ沙門僧であろう。唐代には、そこに加わっていた僧旻や南淵請安らが帰国、道慈、玄昉らが奈良仏教の興隆に寄与した。また、平安時代には、正統密教の教理や経書を求めて、最澄や空海が日本に天台宗、真言宗を伝え、多くの書物を輸入したため、仏教以外にも儒教知識や文化を伝えた。その後も、先の2人に加え円行、常暁、円仁、恵運、円珍が唐を訪れ入唐八家と呼ばれている。特に、円仁と円珍は商人の船による渡航をしている。宋代には、宋の商船によって奝然、寂照、成尋が入宋し、この頃から輸出も増加、貴重な本の輸入と相まって文化還流が行われた。特に、奝然は『宋史』外国伝日本の条にも掲載されており、入宋僧たちが、中国での日本に関する情報源となっていった。そんな入唐、入宋の日本僧の中で円仁は『入唐求法巡礼行記』記しており、円仁の目を通して当時の唐の社会を透視することができる。その中に描かれる在唐新羅人社会について、本レポートでは考察していきた...

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