【論文の概要】
現行著作権法によると、著作物とは、「思想または感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術、または音楽の範囲に属するもの」(著作権法第2条1号1項)と定義されている。つまり、著作物であるというためには、単に「思想または感情」が表現されたものであるだけでは足りないのである。しかし、著作権法はこの「創作的」の定義をしていない。著作物が多様化している現代では、創作性を一律に定義することは、もはや困難になっているともいえる。このため、著作権の要件としての「創作性」をどのように捉えるかが問題となるのである。
我々が新たに著作物を創作する場合には、何らかの形で既存の著作...