更生保護のあり方を考える有識者会議報告書を読み、現状と保護する側の担い手や今後の課題をまとめたものです。
更生保護とは、犯罪や非行といった反社会的な行為をなした者に対し、社会でさまざまな働きかけをすることにより、再び社会の一員として更生させることである。また、更生させることで、社会の治安を維持することである。
対象者とされる人については、保護観察処分に付された少年、少年院仮退院者、仮釈放者、保護観察付の執行猶予者、刑務所からの満期釈放者や少年院からの退院者などである。以上の対象者には、更生保護としての援助・支援が、いわば最後の処遇課程と言われている。
更生保護で行う援助・支援としては、罪を犯した人が社会生活に再適応していくために必要な生活指導を行い、生活環境の改善や調整を図るため、職員が関係機関・ボランティア等の協力を得て、ネットワークを形成し、それぞれの施設が独自の方法で、利用者の社会復帰への道を切り開いてくことである。
しかし、更生保護(制度)は、機能不全に陥りかけており、その目的を十分に果たせていないと言われている。更生保護(制度)が直面している事態の深刻さは、保護観察対象者による重大再犯事件が相次いだことなどから露呈し、再犯を防止する機能の現状に対し国民の厳しい目が向けられ、...