<課題文>
行政関係には、権力的な関係と非権力的関係があると言われている。権力的な関係はどのような特色を持っているか。非権力的な関係と対比して、実定法との関係を考慮しつつ検討しなさい。
<レポート>
第1.権力的な関係とは
1.定義
権力的な関係とは、行政主体が公権力の行使により、私人と抵触する法律関係をいい、
非権力的関係とは、行政主体が公権力の行使以外の行為形式により私人と接触する法律関係をいう。
2.問題
行政による権力的関係は、司法・立法による権力的関係よりも問題となりやすい。
すなわち、法律の制定を行う立法は、国民の代表機関たる国会に独占させているため、民主的統制が確保されており(憲法41条)、司法においても、裁判官の第三者性・独立性、慎重公正を裁判手続によって確保できる。
これに対して、行政権によって権力的関係が規定される場合、司法権と同様法の適用を行うが、司法権が第三者地位にあるに対し、行政は法律関係の一方当事者になるため、司法のような慎重公正さを期待できない。また、行政権による法の執行には、立法のような民主的手続を必ずしも経ていないため、民主的な意思が反映されてお...