日本国憲法における憲法改正手続きについて論ずる。本論文では、日本国における憲法改正の手続きとその問題点についてを論ずることが目的である。そのため、二つの章に分けて論ずる。第一に、日本国憲法を改正するために行う手続きについて論ずる。第二に、昨今話題となっている憲法第九条改正について論ずる。
1、日本国憲法改正手続きについて
日本国憲法は日本国国家の基本法で、日本の法律の中では最高の法規として位置づけられている。そのため、その改正については簡単な方法で行うことは出来ない。日本国憲法は第二次世界大戦敗戦後の日本で成立したもので、基本的人権の尊重・国民主権・平和主義という普遍的な原理を盛り込んでいる。そのため、憲法改正には慎重な態度で臨まなければならない。
日本国憲法が制定されてから六〇年あまり経っているが、憲法改正は以降一度も行われていない。しかし、日本以外の先進国では何度か憲法改正が行われており、アメリカでは十五回以上、ドイツでは五〇回以上改正されている。社会は常に変化し続け、憲法の内容が時代にそぐわない場合がある。その場合、社会が求めているものにしたがって、時代に沿う形に改正してい...