人文地理学概論分冊2

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    資料紹介

    わが国の都市開発は、この方面の先進地である英国に学ぶことが多い。つまりニュータウン政策も、その基本はイギリスにあった。これら一連の経緯は教科書pp.86-102に詳細に説明されている。そこで、この部分を十分に学習した上で、わが国を代表するニュータウンの中から一か所を選択して説明しなさい。〈参考文献は複数呈示することが望ましい〉

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    今から10年前、私はイギリス南西部の町エクセターとボーンマスに語学留学した。ロンドンからエクセターまではバスでおよそ3時間。いくつかの都市を経由する度に、グリーンベルトと市街地を出入りする景観の美しさに見とれながら目的地に到着した。エクセターの人口はおよそ12万人で、中心地は「City Centre」である。一方、リゾート地として知られるボーンマスの人口はおよそ17万人で、エクセターと比べ人口の流入が多いものの、中心地は「Town Centre」である。当時の語学学校教師からそれらの違いについてレクチャーを受けたことを私は今も記憶している。「City」とは大聖堂を有する都市であり、英国国教会の首長であるエリザベス女王からの宣旨を受けなければならない。「Town」は人口の大小を対象としない比較的新しい都市(ニュータウン)を指していたのである。
    先述の通り、ニュータウン構想の発祥の地はイギリスである。産業革命後、都市へ大量の労働力の需要が生じ、地方の農村から工業都市への労働人口の流入が激しくなった。その結果、工場周辺の住宅街では大気汚染・コレラなどの伝染病が蔓延するなど住宅環境は悪化の一途...

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