HAPPYCAMPUS予想時事問題
※本レポートの目的は、学習情報共有として提供しております。最近の国際及び日本の重大になっているニュース記事を中心にまとめておきました。是非、ご活用ください。
【国際】〈@ロンドン〉五輪と企業 閉会式に光る国産技術
朝日新聞 2012年8月13日
ロンドン五輪のメーン会場、オリンピックパーク最寄り駅の商業施設前でボルトがにらみをきかせていた。もちろん本人ではない。手にクレジットカードを持った広告だ。閉幕を迎える前に、期間中見てきた五輪と企業の関係を考えたい。
スポンサー企業は協賛金と引き換えに、五輪ロゴや映像を広告宣伝に使える権利が与えられる。国際的に活動できる最上位のスポンサーは「The Olympic Partner」の頭文字をとって「TOP」と呼ばれ、現在11社。コカ・コーラ、マクドナルド、エイサー、アトス、ダウ・ケミカル、ゼネラル・エレクトリック(GE)、オメガ、P&G、ビザ、サムスン電子、そして日本から唯一参加のパナソニックだ。1業種1社が原則だが、扱う商品群ごとに、例えば映像機器はパナソニック、無線通信機器はサムスンなどすみ分けている。五輪会場でスポンサーは守られる。場内の売店や自動販売機はすべてコカ・コーラ社の飲料。買い物のカード決済はビザカードのみという徹底ぶりだ。
ここまでやると、逆にスポンサーへの風当たりも強い。「排他的では」という質問が、五輪組織委員会が絡む記者会見でたびたび出た。これに対して「スポンサーの協力がなければ大会は成り立たない」というのが定型の答え。協賛金は大会運営費の半分を占める。スポンサーが五輪に協賛する最大の理由はブランド力の向上だ。世界中から人や企業が集まる場は、企業にすれば巨大なショーケース。商品の採用実績や、平和の祭典への貢献そのものでイメージアップを図る。街中を歩くと、ビザカードやマクドナルド、サムスン電子の広告が目立った。今大会からTOP参加のP&Gは「アスリートの母親を応援する」がコンセプト。扱う製品は洗剤や紙おむつなどスポーツと直接関係ないが、購買層である母親への訴求力を重視した。五輪選手を育てるぐらい頑張る母親はうちの製品を使ってね――というわけだ。今大会、パナソニックは過去最大規模のテレビやディスプレーを納入した。パーク内に大型3Dテレビの視聴施設もつくり人気を呼んだ。「五輪の年の商戦は他社より優位に進めてきた」(マーケティング担当者)という効果を今年も期待する。
とはいえ、大会ごとに1社100億円規模とされる協賛金は安くはない。昨年度の巨額な赤字から人員削減に追い込まれたパナソニックが、ここまでする意義はあるのか。2016年のリオ五輪までTOP契約しているが、契約締結は2007年。リーマン・ショックで業績が暗転する前だ。世界的な不況が続く中で、企業が重い協賛金を払い続けるほどの意味が今後も五輪にあるだろうか。そう考えていたら、もう一つ五輪に企業が関わる理由を耳にした。過去の大会で公式サプライヤーとして計測機器を納入した実績のあるセイコーホールディングス。広報担当者は「五輪はメーカーの技術力向上の一つの動機になる」と話す。同社は1964年の東京五輪用にクオーツ時計を開発。その技術で69年、世界初のクオーツ式腕時計を市販した。 今大会はオメガがその役割を担った。やはり新しい技術で陸上のスターティングブロックや水泳の計測機器を用意した。そういえば、パナソニックも今回、大会側から開閉会式向けに超高輝度のプロジェクター(映写機)を求められ、技術開発陣が奮闘したという。4年ごとの大会が、日本の技術革新を後押ししてきたのか。
まもなく閉会式が始まる。日本の技術が大会の締めくくりをどう演出するのか。パソコンを閉じてそのときを待つことにする。
【経済 】G20、食料価格高騰に対応するため会合開催を検討
ロイター通信 2012年8月13日
英フィナンシャル・タイムズは13日、食料価格高騰に対応するため、20カ国・地域(G20)が会合を計画していると報じた。米国は過去50年余りで最悪の干ばつに見舞われ、穀物価格が過去最高水準に高騰している。
状況に詳しい匿名の関係者4人によると、G20高官は会合の開催について27日の週に電話会議を行う予定。協議されるのは「迅速対応フォーラム(RRF)」で、9月下旬あるいは10月初めに開催される可能性がある。RRFは、国際市場の異常な状況について意思決定レベルの高官が協議を行う場で、昨年フランス主導で設けられた農業市場情報システムの一部。
指標となるシカゴ市場のトウモロコシ先物相場は10日、史上最高値を更新した。米農務省が需給報告で生産量見通しを17%引き下げたため、2008年の食料価格高騰の危機再来への懸念が強まった。
G20関係者は、会合の開催はパニックの兆候を示すものではないと強調。同紙によると、「現状認識を共有するためのもので、変動を悪化させる政策を阻止することが目的」としている。
◆ 用語解説
▪ スポンサーとは?
スポンサー(Sponsor)とは、団体、個人、スポーツのチーム、イベント、施設、番組などに対し、広告やPRを目的に金銭を支出する団体或いは個人、即ち広告主である。本来は広告業界用語の一つ。テレビ・ラジオ等の電波媒体を利用してペイドパブリシティをおこなう広告主を指す(これとは別に、新聞・雑誌等に広告を掲載する広告主はクライアント、あるいはアカウントと呼ばれる)。
▪ 五輪組織委員会とは?
国際オリンピック委員会( International Olympic Committee, IOC、以下IOCで記述)は、近代オリンピックを主催する団体であり、またオリンピックに参加する各種国際スポーツ統括団体を統括する組織である。本部はスイス・ローザンヌ。国連等の国際機関の一つと思われがちであるが、非政府の非営利団体であり、運営資金は主に放送権料販売とスポンサーシップ収入による。2009年に国際連合総会オブザーバー資格を得た。
▪ G20とは?
G20(ジートウェンティ)は、"Group of Twenty"の略で、主要国首脳会議(G8)に参加する8か国、欧州連合、新興経済国11か国の計20か国・地域からなるグループである。20か国・地域首脳会合(G20首脳会合)および20か国・地域財務大臣・中央銀行総裁会議(G20財務相・中央銀行総裁会議)を開催している。主要20か国・地域ともいう。
カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、イギリス、アメリカ合衆国、欧州連合は、G7として定期的に財務大臣・中央銀行総裁会議を開催していたが、この先進7か国・1地域に主要国首脳会議(G8)参加国のロシアと新興経済国11か国が加わり、1999年より20か国・地域財務大臣・中央銀行総裁会議(G20 Finance Ministers and Central Bank Governors)を開催している。この会議には、国際通貨基金、世界銀行、国際エネルギー機関、欧州中央銀行など、関係する国際機関も参加している。世界金融危機の深刻化を受けて、2008年からは20か国・地域首脳会合(G20 Summit)も開催されている。
▪ 需給と供給とは?
競争市場では、需要と供給(じゅようときょうきゅう)が一致することにより市場価格と取引数量が決定される。以下で示す需要・供給分析は、ある財(物品)・サービスの市場に注目した分析となるため、部分均衡分析と呼ばれる。(すべての市場を同時に分析するものを一般均衡分析と呼び、対照的に扱われる。)