相談援助の基盤と専門職2

閲覧数3,069
ダウンロード数88
履歴確認

    • ページ数 : 2ページ
    • 全体公開

    資料紹介

    『相談援助の基盤と専門職②』
    「相談援助に係る専門職の概念と範囲および専門職倫理についてのべなさい」

    資料の原本内容

    『相談援助の基盤と専門職②』
    「相談援助に係る専門職の概念と範囲および専門職倫理についてのべなさい」
     社会福祉士とは、社会福祉士の登録を受け、社会福祉士の名称を用いて、専門的知識および技術をもって、身体上の障害があることまたは環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある者の福祉に関する相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うことを業とする者である。日本では、1987年に、社会福祉士及び介護福祉士法によって社会福祉士が国家資格として創設された。社会福祉士という資格は、業務独占資格ではなく、名称独占資格でありはするものの、社会福祉専門職としてのソーシャルワーカーという認識は広がってきた。
     1915年に、フレックスナーは、当時のソーシャルワークは専門職に該当しないと主張し、ソーシャルワーカーの専門職化が進められてきた。ソーシャルワーカーが専門職であるための条件として、1957年にグリーンウッドにより、①体系的理論、②専門職的権威、③社会的承認、④倫理綱領、⑤専門職的副次文化の5つが挙げられた。1965年には、ミラーソンによって、①公衆の福祉という目的、②理論と技術、③教育と訓練、④テストによる能力証明、⑤専門職団体の組織化、⑥倫理綱領の6つが挙げられている。さらに秋山智久により、①体系的な理論、②伝達可能な技術、③公共の関心と福祉という目的、④専門職の組織化、⑤倫理綱領、⑥テストか学歴に基づく社会的承認の6つの要素が挙げられた。
     これらをかんがみて、仲村優一は専門職としての社会福祉士であるための条件は次の通りであると述べた。①科学的理論に基づく専門の技術の体系をもつものであること、②その技術を見につけるのには一定の教育と訓練が必要であること、③専門職になるには一定の試験に合格して能力が実証されなければならないこと、④専門職はその行動の指針である倫理綱領を守ることによってその統一性が保たれること、⑤専門職の提供するサービスは、私益ではなく公衆の福祉に資するものでなければならないこと、⑥社会的に認知された専門職団体として組織化されていること。
     専門職の範囲としては、社会福祉士等の活躍の分野、職種、援助内容は多岐にわたっている。その業務内容は、①社会福祉行政、②民間の社会福祉施設や組織、③社会福祉関連領域と、大きく3つに分けることができる。①社会福祉行政については、福祉事務所が第一線の現業機関である。そこには分野に応じた専門職が配置される。②民間の社会福祉施設としては、老人福祉施設、児童福祉施設、母子福祉施設、障害者支援施設、婦人福祉施設などである。③社会福祉関連領域としては、医療分野、司法分野、教育分野、国際的な場等がある。
     次に、専門職倫理について述べると、倫理とは福祉専門職が判断や行動の際に指針となるものである。1986年に日本において初めて、日本ソーシャルワーカー協会が倫理綱領を宣言した。
     そして、1995年に日本社会福祉士会が採択した「ソーシャルワーカーの倫理綱領」がある。この倫理綱領において、価値と原則として次の5つが示されている。①人間の尊厳、②社会正義、③貢献、④誠実、⑤専門的力量である。つまり、世界共通の普遍的価値である人間の尊厳と社会正義に対してソーシャルワーカーがはたらきかける貢献が中核的価値であり、これを果たす手段的価値が誠実と専門的力量と言える。

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。