まず、私が興味を持ったスラッファの体系を書いた『スラッファ体系研究序説』より “「生産のための余剰」では、ちょうどそれ自身を維持するだけのものを生産するような単純な社会が想定され、そこでは商品が個々の産業によって生産され、収穫後に開かれる市場で相互に交換される。「余剰をふくむ生産」ではスラッファは明らかに資本主義的な生産関係を想定していると考えられる。生産力の発展によって発生した余剰が単に生産者=労働者の生活資料を豊かにするのではなく、余剰は利潤として考えられている。そしてこの余剰の分配が価格決定に影響することになるのである。”この部分に注目していく。
「持続可能な開発とピエロ・スラッファ理論」
まず、私が興味を持ったスラッファの体系を書いた『スラッファ体系研究序説』より “「生産のための余剰」では、ちょうどそれ自身を維持するだけのものを生産するような単純な社会が想定され、そこでは商品が個々の産業によって生産され、収穫後に開かれる市場で相互に交換される。「余剰をふくむ生産」ではスラッファは明らかに資本主義的な生産関係を想定していると考えられる。生産力の発展によって発生した余剰が単に生産者=労働者の生活資料を豊かにするのではなく、余剰は利潤として考えられている。そしてこの余剰の分配が価格決定に影響することになるのである。”この部分に注目していく。
これらに注目するかぎり、“スラッファの立てたさまざまな仮定は交換関係から出発していて、個々によってされた収穫物がその後市場で交換される”と書かれている。また、“スラッファは総生産量と総生産手段との差である余剰が、すべて労働者の手に渡るのであれば問題はない”としている。これは余剰=利潤として考えると、“利潤は各産業に払われた資本に比例して分配されなければならない。”これにより労働者の賃金の問題...