国際政治経済学の理論(リアリズム・リベラリズム・マルキシズム・コンストラクティビズム)について説明しなさい。
国際政治経済学とは、政治と経済との現象の組み合わせで、国際関係を分析する学問である。国際政治経済学のアプローチは様々あるが、以下でそれぞれの理論の特徴と問題点について整理しておく。
(1)リアリズム
リアリズムは現実主義とも呼ばれ、無政府状態の国際関係を国益と勢力均衡の観点から分析する理論を言う。リアリズムの特徴は、世界は国家より上位の政府が存在しない無政府状態であるという考えに基礎を置いている。また、国際関係の行為主体は国家以外になく、国家の目的は国家の生存にあり、そのために安全保障が国家の最優先課題としている。その目的のためにパワーが用いられ、このパワーによる競争、すなわち国家間の権力闘争が国際関係におけるあらゆる事象の源泉となっていると主張し、あらゆる価値観を排除して国際関係を客観的に分析しようとする理論である。
リアリズムの思想は古代ギリシャのトゥキュディデスから始まるといわれる。彼はペロポネソス戦争を通じて権力闘争と戦争の因果関係を描き出し、戦争の原因を権力の不均衡に...