聖徳通信で合格したレポートです。
「桃太郎」についてだが、その発生は室町時代である。その話の原形は、「川から流れてきた桃を、とある老婆が拾う。古来から不思議な霊力を持つ果物だと言い伝えられているその桃を、老夫婦が二人で食して若返り、そして…
「むかしむかし、あるところに…」、と言うフレーズは、おそらく幼少時代には、一度は聞いたことがあるであろう。日本のお伽話の冒頭は、ほとんどはこのように始まる。実際に、古くから語り継がれてきたさまざまなお伽話であるが、時代や地域によって、あらすじやその内容が異なっている物語が多く見られる。では、一体どのようにお伽話は変化をしてきたのであろうか。ここでは、私たち日本人に広く知られている、「桃太郎」と「一寸法師」について、深く検証してみた。
まず、「桃太郎」についてだが、その発生は室町時代である。その話の原形は、「川から流れてきた桃を、とある老婆が拾う。古来から不思議な霊力を持つ果物だと言い伝えられているその桃を、老夫婦が二人で食して若返り、そしてその結果、子をなした。」という、回春譚という物語の類型であった。その話に、三匹の仲間を引き連れてその子(=今で言う桃太郎)が鬼退治をする、というストーリーが合体した話であるが、時代が江戸時代へと移り、その話が広まってからも、同種の滑稽話がほとんどであったと言う。
しかし、その一方で江戸時代では、この回春譚ばかりではなく、「川で拾った桃を割ったら、...