行政広報とは
一般的に定義される「行政広報」とはどういう意味、役割を持つのだろうか。
現在の行政広報活動には2つの役割が存在していると言われている。それが広報と広聴である。本田(1995)いわく、「広報と広聴の役割が乖離して機能している点」に現代の行政広報活動の問題があるという。広報は行政の事務、事業の執行過程について関係あるものについて住民に情報提供するという、お知らせ機能だけに限定されており、広聴に関しては住民からの苦情処理や行政等の相談業務あるいは、モニター等の意見や世論調査になっているということである。それぞれが現在、担っている役割も当然、行政には必要なものであるが、本田(1995)は「広報と広聴とが個別の機能として独り歩きしているところに問題がある。」と述べている。それにより、地方自治体の知らせたいことと、市民の知りたいこととの間にギャップが生まれる一方、市民の要求や意見が広聴によって吸収され、反映されるプロセスが定着しないことにつながるのである。
以上のような行政広報の特徴を踏まえた上で、さらに具体的な行政広報の役割に3つの機能について述べていく。
第一に行政の誘導性...