更生保護制度の歴史について
更生保護法第一条には、「犯罪をした者及び非行のある少年に対し、社会内において適切な処遇を行う」ことにより再犯や非行をなくし、更正・自立を目指すことと、犯罪予防の活動の促進等を行うことで社会を保護し、個人や公共の福祉を増進することが目的として記されている。つまり、さまざまな背景を背負って生きる人が、時に挫け、道を誤った時、支えとなるのが更生保護制度である。
更生保護の始まりは江戸時代の「石川島人足寄場」にも見られるが、近代的事業としては明治21年、金原明善らによる「静岡県出獄人保護会社」が挙げられる。これは出獄者の身元保証をして職業斡旋等を行ったもので、その後、慈善事業である「免囚保護事業」と...