福祉発展の三つの段階について、各段階の特徴をまとめ、特に社会福祉が成立する第三社会の現代化について説明しなさい。
福祉発展の歴史は、前近代による「人類の始源以来の個人の自由を認めない関係の下での他者援助により福祉が形成される段階」、近代による「人類史上初めて体制的に形成される個人の自由の下で他者援助により福祉が実現する段階」、現代による「個人の自由を確立したすべての国民が共同して福祉を社会的に編成する段階」の3段階に区分される。とある。※池田敬正の『日本における社会福祉の歩み』(法律文化社、1994年)また、歴史的な政策等の背景としては、第一段階、19世紀の末に至る「救貧法と慈善事業の段階」、第二段階は20世紀初頭から第二次大戦にいたる、「労働者保護と社会事業の段階」、第三段階は第二次大戦、戦中戦後の福祉国家建設以後の「福祉国家と社会福祉の段階」の③段階でも区分されるといえる。
1.前近代による第一段階
前近代による第一段階の特徴としては、個人の自律的判断を認めない共同体支配と、身分制支配とによる抑圧の構造をもつ社会共同である。16世紀による封建社会では、資本家の政治支配、民主的な生...