聖徳大学 「道徳教育の研究」 第二課題(S評価) 指導案表編

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    資料紹介

    道徳模擬授業における指導案作成をするという課題の授業案表です。
    体験談を用いたものなので参考程度にしかならないでしょうが、一応載せておきます。
    評価はS評価がもらえました。

    講評としては、
    ・指導案の書式は適切である。
    ・指導目標、内容、方法が確立されており、独自の視点など特に見るべきがある。
    ・とてもよく具体的に考えられていて、大変結構でした

    とのこと。
    正直、当初道徳の授業なんて想像もつかなかったのですが、良かったです。

    他に作成した資料をアップロードしているので、閲覧の際はそちらと併せてご覧ください。

    資料の原本内容

    <道徳授業案(表)>
    段階 学習活動 主な発問と予想される生徒の反応 指導上の留意点 あいさつ、伝達など 事例の資料を配布
    導入
    導入
    テーマ①「事例」による問題提起
    テーマ①「事例」による問題提起
    T:「とりあえず、読んでみての感想は?」
    S:「A君がかわいそう」
    T:「他には?」
    S:「最初に言い始めた子達が悪いと思う。そういうことをしちゃいけなかった」
    T:「彼らもそこまで悪気はなかったようで、最初は悪ふざけみたいなものだったんだけどね。でも確かにそうなのかもしれないな。じゃあ、全て彼らが悪いってことでOK?」
    S:「いや、やっぱり彼らに続いてしまった周りの子たちもよくなかった」
    T:「なるほどね、確かにそうだ。そこで続いてしまうのはよくないよな。だったら、どうすべきだった?」
    S:「そういうのはよくないよって言うべきだった」
    T:「そうだな。そうできれば立派だったな。そうできれば、凄く勇気のある子だよね。先生もそれが出来る子は、尊敬する。間違っていることを間違っていると、勇気をだして言うことは、皆が思っている以上に難しいことだけど、だからこそ凄く尊いことだと思う。そういうことができるように※自分自身もありたいし、皆にもそうできるように目指して欲しいと思う」
    T:「じゃあ、C君とDさんについてはどう?」
    S:「そういう風に人の悪口を言ったりしてはいけない」
    T:「そうだよね。彼らはそういうことを言ったりしたらいけなかった。仮に個人的に誰かを気に食わないというのは仕方のないことだけど、それは誰かに言うべきことじゃないよね。」
    T:「じゃあこれ、すっごく聞きたいことなんだが、B君については、どう思う?」
    S:「B君も流されずに『そんなことないよ』と言うべきだった」
    T:「そうだよな。勇気をだして、そう言うべきだったよな。ただ、実はC君はB君の一番の親友で、DさんはB君の初恋の人だったりしてね。B君もDさんに嫌われるのだけは嫌で…というか良く思われたくてね。言い訳するわけじゃないけど、なかなか寧ろ好かれたいと思っている人の言葉を否定するのは難しい…と思わない?どう?」
    T:「…ところでもう気づいているかもしれないが、そのB君ってのは、※先生…かつての俺のことです。けれど、あの後、すっごく後悔したよ。俺のせいでアイツは転校することになっちゃったんじゃないかってね。」
    T:「ところで、ここで凄く不思議なことがある。よく聞いて。こんなことがおこってしまったクラスだったけど、このクラスは本当にいいクラスだったんだよ。いい奴ばかりだったし、悪い奴なんて別にいなかった。少なくとも、俺の感覚ではそうだった」
    T:「なのになんであんなことになっちゃったのか。…なんでだと思う?」
    S:「分からない」
    T:「じゃ、それを考えるにあたり、皆に是非知っておいてほしいことがあるんだが…」 ←まずこれを数人聞く。
    ←と出るだろうが
    ←とすかさず聞いていく。
    ←となれば、
    ←と他の生徒に発問する。
    ←となれば
    ←と発問する
    ←となれば
    ←と評価する。続いて
    ←と発問。
    ←という内容が出たら
    ←と評価し
    ←と発問し、何人か聞く。
    そして←の意見が出たら、他にもふってみる。同意が多く出たら
    ←と、現実上の難しさは教師から出す。
    ※「先生」では混同するので
    ←実は教師の実体験であることを明かし、教師と生徒の距離間を近づける(「自己開示」効果)
    ←できればここまでには全ての生徒を話に引き込んでおきたい。自分自身の年齢(28)も考え、教師というイメージよりは、先輩や兄のような雰囲気で行いたいもの。
    ←と何人かの生徒に問いを振ってみるが、明確な解は出ず
    ←となると思われる。
    ←と、「群集心理&イノベーター
    理論」の資料を配布する (残りの資料を全て配布)
    展開
    展開
    テーマ②「グループのメリット」と共に、【群集心理】という概念を知る
    テーマ②の【群衆心理】概念理解の一般化
    T:「さて、皆も中学生だし、感情論だけでなく、ちょっと大人な話をするよ(笑)。人間の持つ性質というのを少し学ぼうか。ジャンルとしては、まずは『心理学』という学問から。<ある状況や条件において、人間の心がどういう風に動きやすいか>という、学問的にはかなり面白いジャンルだから、将来学ぶ人も出てくると思うけど、ここで扱うのはすごく簡単な話だから安心して」
    T:「それじゃまずは読んでもらおうかな、【群衆心理】ってとこね。斜めの字体のところだけでいいから…それじゃ〇〇、声に出して読んでみて」
    T:「意味分かった?つまり集団っていうのは、ともすれば思いもがけない方向に暴走する危険を常に孕んでいるってことだけれども。グループというのは、すごく大きな力を持っている。例えば良い面では一人じゃ決してできないような努力も、皆でだったら出来たりっていうのはあるだろ?その結果、『奇跡』みたいな成果を出すこともある。協力したり、もしくは共に競い合い、励ましあったりしてね。そもそも一日こうして5時間、6時間、当たり前のように授業をこなすってのだって、〇〇、1人で家でできそうか?」
    S:「無理です」
    T:「だろ?でも、そういう良い面ばかりじゃなく、集団であることがマイナスに働く場合ってのいうのも確かにあって、メンバーの誰も望んでいないような方向に進んでいってしまうこともある。これは本当に一人ひとりが気をつけていないと、低くない確率でそういう方向に進んでいく。本当だよ?皆も生まれて十数年生きれば、そういう経験の1つや2つは経験したり目にしたりしたこともあると思う。だが、歴史に学んでみてもそうだ。ちょっと見てみようか。」
              
    T:「はい。それじゃプリント見てね。じゃあ、奴隷って何か、〇〇知ってる?」
    S:「無理やり働かされる人」
    T:「近い。が、まだ足りないかな。『人ではなく、品物もしくは家畜といった存在として扱われる存在』といった方がいいかもしれない。働かされるだけでなく、競売にかけられたり、輸出される商品とかにもされていた」。この日本においても、古代からあったよ?呼び名は「生口」とか「奴婢」とか様々だったけどね。
    (中略)
    ←と、興味をあおる前置き。
    ←と生徒に音読させる
    ←必要ならかいつまんで説明し、いくつか例をあげる。生徒の理解を確認する
    ←なるべく対話を心がける
    ←確認と簡単な説明をピッ
    クアップして扱う。時間調整はここで。
    ←教科(社会)との知識の関連を意識。
    ←時間により、知識を扱えそうなら社会科教師として知識を活かし、知識を発問形式で扱う。
    展開
    終末
    終末
    テーマ④「いじめ・差別」という「流行」の起こり方を【イノベーター理論】を参考に知る。
    教師説話
    教師説話 T:「で、奴隷にしても、奴隷を売り買いしていた人 たちっていうのは、決して悪人というわけじゃなく、普通の人たちだった。同様、一番最初の例、俺が小6だったときの「いじめ」も普通の子たちによってなされたものというのは、分かったね?最も極端なケースになれば、差別やいじめはおろか、人は笑って人を殺すことがあるというのも、歴史的にみても、これは事実。」
    T「でも、これらは急激に広がるものじゃない。段階があるんだよ。そして広がる前なら、それを止めることができる。【イノベーター理論】というプリントを見てみて。これは、将来自分で何か新しいものやサービスを作って世に拡げようとか、自分で会社創ってみたりしようかって人は凄く大事な理論だよ。(略)ある商品やサービスを拡げるには、16%の人に拡げることが大事、という話でいじめや差別もこうした「流行」の側面を持っている。」
    T:「ただ、こういった差別やいじめというのは、他の流行より、より起こりやすい理由がある。分かるよな。いじめをする側に回らないと、される側になるかもしれないっていう危険回避の心理が働くっていうことだよ。分かるよね。少なくとも俺は分かる。よく分かる。
    が、誰々がいじめられているけど、自分もそっち側にならないと、いじめられるかもしれない、無視されるかもしれない、仲間はずれになるかもしれない。そんなくだらないことを気にしながら学校生活を送るなんて、つまらないにもほどがある。折角なら最高なクラス、このクラスでよかった思えるようなクラスにしたいよな。〇〇、どう思う?」
    S:「そう思います」
    T:「だよね。そして、ではそのためにどうすればいいか。何に気をつけなきゃいけないか。それは一人ひとり違うはず。だから今日は最後にそれを、一人ひとり書いてもらっておしまいにするけど、ここまでで理解してほしいのは、次の3つね。まず、一つ目①「群衆心理」というものがあって、それに陥ると、人は思考力を奪い、無責任になって、かつ残忍になる性質があること。2つめ、②流行は、「イノベーター理論」における5種のタイプの人々で作られるもので、いじめや差別もまた「流行」といえること。だから、皆が同じ事を気をつけるよりも、自分の持つ生まれ持った性質を把握し、その性質を踏まえた上で、気をつけなければならないこと。そしてどんなことに気をつけなきゃいけないか、それは今から書いてもらう。そして、実践できるよう気をつけてもらう。で、皆でいいクラスにしていこう。『仲間はずれにされるかも』、とか、『本気でやってるとシラケた感じで見られるんじゃないか』とか、『目立たないように気をつけないと』とか、そんなくだらないことを意識しながら折角の学校生活を送って欲しくないんだよね。ホント、どれもこれもくだらない話だろ?楽しいクラスにしていこう。
    てことで、じゃあ書いてください。それで...

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