①かつての「特殊教育」についてはどのような「現状認識」があったのか、そのような「現状認識」からどのような「基本的方向性」が示されたのか。そして「特別支援教育」はどのように「定義」されているのか、について具体的に述べよ。
1、現状認識と方向性
特別支援教育への変遷から、どのような現状認識の過程を経てきたのかを述べる。
文部科学省の、2001年「21世紀の特殊教育の在り方について(最終報告)」では、ノーマライゼーションへの方向性と「中央集権」から「地方分権」への政治の流れに沿っているものであり、また、児童生徒の一人ひとりのニーズに対応することや、通常学級にいる児童生徒に対する対応まで視野に入れた点である。
そして、2003年「今後の特別支援教育の在り方について」を公表し、従来の法的な「特殊教育」そして通称の「障害児教育」に代わる「特別支援教育」を提起したのである。下記にその現状認識を挙げ、基本的方向性を考察する。
1)特殊教育諸学校若しくは特殊学級に在籍する又は通級による指導を受ける児童生徒の比率は近年増加していること。
2)対象児童生徒の量的拡大傾向とともに、障害種の多様化による質的な複...