現在、我が国には、自立の意思がありながらホームレスとなることを余儀なくされた者が多数存在している。ホームレスの多くは、都市公園、河川、道路、駅舎等を起居の場所として日常生活を送っており、地域社会との軋轢が随所に生じている。現下の厳しい経済情勢の下、ホームレスの数は今後も増加傾向が続くと思われ、ホームレスに関する様々な問題は、今後、より一層深刻さを増すものと考えられる。 全国調査により25,296人のホームレスが確認された。都道府県別に見ると、大阪府や東京都が多いなどのばらつきはあるが、すべての都道府県でホームレスが確認された。また、その生活実態としては、中高年層が大半を占め、野宿生活ではあるがそのほとんどが公園、河川敷等で生活の場所が定まっている、直近のホームレスになってからの期間は1年未満が最も多い、過半数が仕事をしている、平均収入月額は1万円以上3万円未満が最も多い、野宿生活直前の職業として建設業関係の仕事が半数以上、常勤職員・従業員(正社員)が多く日雇はほぼ同程度、野宿生活に至った理由として「仕事が減った」「倒産・失業」「病気・けが・高齢で仕事ができなくなった」などとなっている...