「人格の条件」
人間は理性的存在であるとともに、感性的存在である。
「人間は身体においては感性界に、理性においては叡智界に両属していた。感性界を支配する法則が自然法則であり、叡智界を支配する法則が道徳法則であった。」とカントは述べている。
さらに「汝の人格における、ならびに他のすべての人格における人間性を、常に同時に目的として使用し、決して単に手段として使用しないように行為せよ」とカントが述べているように人間同士はお互いにお互いを目的として扱わねばならないということである。
そこには理性が存在する。理性を持つものだけが人格であり、絶対的価値をもつのである。
「人格の条件」とは「理性」を持つ人間である。
「人格と物件の関係」
(1)「その現実的存在」が「意志」に依存するか「自然」に依存するか。
(2)「理性」を持つか、持たないか。
自然の物事はいずれも法則に従って作動する。ただ理性的存在者だけが、法則の表象に従って行為する能力を、すなわち原理に従って行為する能力を、言い換えれば意志を、所有する。
物件とは目的ではなく単なる手段でしかないものである。つまり道具でしかない以上、ある目的が前提...