「各自が主専攻するコースの中における「工芸的技術」を指導書を参照して一つ選択し、その発展史と近代造形の表現について、各自の視点から意見を述べよ。」
B.C.6000~5000年ごろ、人類が火の鉱石から金をとる冶金(やきん)術がペルシャの一部に発祥したといわれており、オリエント、エジプト、中国といった古代文明が発達した地域に発祥したのは、B.C.4000年ごろからである。加工には金属を切ったりたたいたり溶かしたりしていたが、この溶かす段階で銅と錫の合金、青銅が作られた。これが鋳造の始まりで、いわゆる青銅器時代といわれる文明を形成したのである。鉄が用いられるのは銅よりもあとで、この時代に水銀の製造とそれによる金の抽出が容易になり、銅と亜鉛の合金、真鍮が製造されるようになったのである。中世には新しい鉱山や溶錬場ができ、石炭や水力が冶金に使われ、金属工芸は近代技術の夜明けを迎える。産業革命は機械技術を進歩させ、鉱石から金属をとる方法も改善されて、金属工芸は大きく変化したのである。
日本では弥生時代に中国大陸、朝鮮半島より九州へ伝わった金工品に、剣・鉾・鏡などがある。世界的な金工技術進歩よりかな...