1. はじめに
個別援助技術としてのケースワークは、正式にはソーシャル・ケースワークという。ケースワークという場合のケースは「個々の状況」または「事例」という意味があり、ワークは「働き」「行為」という意味がある。
ケースワークは、クライエント一人ひとりまたは家族ごとに抱える生活上の問題を解決すること、また、それをやわらげることを目的としている。
2. リッチモンド
ケースワークを理論化、体系化したのが、M.リッチモンドである。リッチモンドは1901年に「慈善の協力」という論文を発表する。その慈善とは、貧困家庭がもっている力を回復させることによって、貧困から抜け出せるように援助することであると述べている。
1905年に「改革の小売り的方法」と題する論文を発表している。この小売り的方法という概念が現在のケースワークの起源である。また、リッチモンドは、1917年に「社会診断」のなかで、個々のクライエントのニーズに対応した援助の重要性を唱えている。
リッチモンドは、1922年に「ソーシャル・ケースワークとは何か」の中でケースワークを「人とその社会的環境との間に、個別的に、効果を意識して行う調整によって、その人の人格を発展させる諸過程からなる」と定義している。
「個別援助技術(ケースワーク)の理論と内容について」
はじめに
個別援助技術としてのケースワークは、正式にはソーシャル・ケースワークという。ケースワークという場合のケースは「個々の状況」または「事例」という意味があり、ワークは「働き」「行為」という意味がある。
ケースワークは、クライエント一人ひとりまたは家族ごとに抱える生活上の問題を解決すること、また、それをやわらげることを目的としている。
リッチモンド
ケースワークを理論化、体系化したのが、M.リッチモンドである。リッチモンドは1901年に「慈善の協力」という論文を発表する。その慈善とは、貧困家庭がもっている力を回復させることによって、貧困から抜け出せるように援助することであると述べている。
1905年に「改革の小売り的方法」と題する論文を発表している。この小売り的方法という概念が現在のケースワークの起源である。また、リッチモンドは、1917年に「社会診断」のなかで、個々のクライエントのニーズに対応した援助の重要性を唱えている。
リッチモンドは、1922年に「ソーシャル・ケースワークとは何か」の中でケースワークを「人とその...