エコナ問題について
2011/01/13現在 花王HPを参照http://www.kao.co.jp/rd/eiyo/about-dag/dag01.html
●エコナの有用性および有効成分
肥満や食生活の変化に伴う生活習慣病の増加が目立つ近年、脂質の過剰摂取が注目された。この脂質の体内動態に着目して開発された「調理用油エコナ」は様々な試験から肥満者における体脂肪蓄積抑制効果や糖尿病・小児肥満等の患者の食事療法における有効性が認められている。
ジアシルグリセロールは植物油・動物油を問わず、ほとんどの食用油に数%存在しており人類が長年摂取してきた食経験豊富な油脂成分であるといえる。有用性と、食品として摂取する際の安全性が食品安全委員会に認められ、特定保健用食品に認定された。
肥満や体脂肪が気になると、食事の量を減らしたり、油の量を控えたりすることが一般的に行われるが、現実には料理の美味しさが損なわれるために長続きしなかったり、一時的に体重が減少してしまうと油断して元の食事に戻ってしまいがちである。その結果、体重も元に戻ってしまう場合が少なくない。食習慣を変更し、それを持続することは並大抵の努力ではできない。ジアシルグリセロール油は、『食後の血中中性脂肪上昇抑制・体脂肪蓄積抑制に加えて、血清コレステロール値を総合的に改善する』という特性を持つ。これらの特性はジアシルグリセロール油をそれまで使用していた油に置き換えて使用することで、肥満や様々な生活習慣病予防のための食生活の改善への貢献が期待される。
●エコナの危険性および問題点について
食用油の製造において一般的に行われる脱臭の過程で副生される、グリシドール脂肪酸エステルが、精製した一般の食用油に比べてエコナ油にもわずかに多く含まれていることが報告されている。(一般:~9.1ppm、エコナ:91ppm)
グリシドール脂肪酸エステルそのものについては、発がん性を含め、安全性への懸念を科学的に示す報告はないが、おそらく発がん性があるとされるグリシドールに変化する可能性が指摘されている。
ドイツのリスク評価機関は、これらのリスクについて最悪のケースまでを想定し検討した結果として、業界に対し低減対策の必要性を提唱している。
現在では、エコナ油についてすでにグリシドール脂肪酸エステルの含有量低減の目処がつき、再発売に向けた取り組みが進められている。
花王は特定保健用食品の認定を自主的に取り下げたのは、安全性に問題があったためではないと主張している。
【原稿案】エコナの安全性について
スライド1
まず初めにエコナ油の発売の経緯について説明します.
エコナ油は1999年に,生活習慣病などの予防を目的として「体に脂肪がつきにくい健康エコナ」というキャッチフレーズで特定保健用食品として売り出されました.
近年日本でも問題となっている脂質の過剰摂取は,動脈硬化などの危険因子となる血中中性脂肪を増加させることが知られています.この血中中性脂肪の上昇を抑える効果が注目され,ジアシルグリセロールを主成分としたエコナ油が開発されました.ジアシルグリセロールはオリーブオイル等一般の食用油にも数%含まれていますが,エコナでは成分の80%がジアシルグリセロールになっています.
エコナ油の主成分であるジアシルグリセロールの効果には,食後の血中中性脂肪上昇抑制効果のほかに,肥満者での体脂肪蓄積抑制効果,糖尿病や小児肥満の改善などがあります.
スライド2
ところが2009年に,エコナ油には脱臭の過程で生じる副産物である「グリシドール脂肪酸エステル」という物質が,他の一般食用油に比べて多く含まれることが確認されました.市販の油には0.5~9.1ppmの含量であったのに対し,エコナ油には91ppm含まれていました.グリシドール脂肪酸エステルの毒性に関しては見解がまとまっておらず,食品安全委員会は情報収集と報告を花王に要請しました.花王はこれを受けて低減策の方向性を報告するとともに,エコナクッキングオイルや関連商品の一時販売自粛と出荷停止することを決定しました.さらに花王は同年10月に,エコナ関連製品の特定保健用食品の表示許可の失効届け書を厚生労働省に提出しました.現在花王はHPで本件に関する情報開示を行うとともに,グリシドール脂肪酸エステルに関する情報収集と安全性に関する議論を展開しています.
※花王のホームページを参照し原稿を作成.
2011/01/17参照 http://www.kao.co.jp/econa/#anc01
2011/01/16参照 http://www.kao.co.jp/rd/eiyo/about-dag/dag01.html