プラナリア(planaria)
Ⅰ 生物学的分類
【和名】ナミウズムシ【学名】Dugesia japonica【分類】動物界扁形動物門渦虫鋼三岐腸目淡
水生三岐腸亜目サンカクアタマウズムシ科ナミウズムシ属ナミウズムシ
三岐腸目のプラナリアに似た生物には海水中に生息するものと淡水中に生息するものがある。また、生殖形態についても、有性系・無性系どちらも確認されている。このようにプラナリアは三岐腸目の生物の総称とされる場合が多いが、生物学においてプラナリアと言えば一般に上に示したように分類されるナミウズムシを指す。ナミウズムシは無性系の生物である。
Ⅱ 特徴
形態
ナミウズムシは水質のきれいな谷川の石の裏や渓流などに生息している。水質が汚染されると溶けて死んでしまうことから、指標生物となっている。体制は左右対称で扁平な筒状である。また体表には繊毛を持ち、繊毛運動によって移動する。分類からわかるように神経系はかご状の集中神経系で、原腎管、眼杯眼、脳を持つ。
再生性
プラナリアは著しい再生性があることで知られている。ナイフなどで切断すると、切り口に未分化細胞の塊ができる。これが増殖して頭部片からは尾部,尾部片からは頭部片が生じる。これは切断片に頭部→尾部の極性があるためだと考えられる。
現在では極性を生む遺伝子として頭部にNou-darake遺伝子が存在することが知られている。このため、まれではあるが、頭部のごく近くで切断すると極性が反転して切断面に尾部ではなく頭部を生じるような異形再生がおこることがある。また頭部を縦に切断すると双頭のものや、まれに3つ以上の頭を持つものを生じることもある。
光走性
プラナリアには負の光走性がある。
Ⅲ 飼育方法
ナミウズムシは著しい再生性や原始性により、生殖生物学や再生医学研究のモデル生物として用いられる。実験のために飼育する場合には水温を10~25度、水質を常にきれいに保つ必要がある。また赤虫やレバーを餌として与える。
<参考資料>
スクエア最新図説生物―吉里勝利監修 第一学習社 ISBN4-8040-4472-8
生物Ⅱ合格33講―田部眞哉 学研 ISBN4-50-302116-2
プラナリアです(Web page) http://www.plan-on.net/himitsu.html
プラナリアの紹介と実験(Web page) http://homepage3.nifty.com/planaria/pla-1.html
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