佛教大学通信、「教科教育法宗教1」、第2設題(私立学校における宗教教育のあり方について論述せよ。)のA評価リポートです。
採点者の所見は、「教典の再解釈論は私も同意します。」でした。
学習を進める上での参考にしてください。
第2設題 私立学校における宗教教育のあり方について論述せよ。
戦後の宗教科の授業は、戦前の情操教育と道徳主義を主体とした伝道という考え方を批判して、寺院へと生徒を加入させることを具体的目標として、より明確化した改宗的教育を掲げたことをその特色とする傾向がある。しかし、宗教科も他の諸教科と同じ一教科であることは免れない。故に、宗教科教師は、どうしても矛盾対立する、伝道的な面と教育的な面の両面をもって事に当たらなければならない。
宗教科の教室は各々立場を異にする教師と生徒の共働の場である。従って、教師と生徒は互いにパートナーでなければならない。つまり、教典から生徒へということが、上から下へという価値導入的方向をもって教えることで終始するのではなく、生徒が教典に対して、その日常的な関心を、テキストが本来持っている意図を探ることにより、次第に修正されていくことが、教典をよりよい理解につながっていく。
言い換えれば、宗教科の授業方法は、信仰と文化的生活の間を対立的に取り上げることをしないで、信仰に関わる教学と、教育学の両者を関連させねばならないのである。つまり、教団と学校の両者の主体性を尊重しな...