戦後の日本はどのように経済発展を果たし、外交スタンスを確立してきたのか。
それを踏まえた上で今後の日本外交のあり方を考察。
(*)本レポート執筆時期は第一次安部内閣の頃
「日本外交で私が考えること」
先日、韓国のノムヒョン大統領の安全保障に関する発言が物議を醸していたが、大統領という立場での発言として適切であったかどうかはともかく、あの発言はアメリカという超大国の核の傘抜きでは自国の安保を語れない状況下で戦後を歩んできた韓国と同様の日本にもあてはまる、極めて率直な見方であったと思う。日本外交はアメリカ抜きには語れないとよく言われるが、それは経済発展の歴史にもあてはまる。そこでこのレポートでは、戦後の日本がアメリカという超大国の影響下でどのように経済発展を推し進めてきたのかを振り返り、その経済発展の後どのような外交スタイルを確立してきたのかを確認したい。そして最後に、今後の日本外交のあり方について述べたい。
戦後の日本では、アメリカを中心とするGHQのもとで徹底的な民主化と非軍事化が進められた。その次に、最大の懸案だった賠償問題。アジア復帰の大きなきっかけとなり得ると同時に、大きな経済的負担となると思われた賠償問題であったが、日本を早期に発展させたいという思惑を持つアメリカの働きかけで、サンフランシスコ講和条約は日本にとって都合のよい内容でまとめられた...