2011年度佛教大学通信課程のレポートです。イントロが長すぎ、まとめがないということでB判定でした。
「日本において、1990年代に至ってあらわになった「景気の自律的拡張のメカニズム」と「信頼の構造」とが壊されたという事態について」
参考:山家悠紀夫『景気とは何だろうか』(岩波書店、2005年)
日本において、1990年代に至ってあらわになった「景気の自律的拡張のメカニズム」と「信頼の構造」とが壊されたという事態について、1)その実態を具体的に明らかにし、2)それをもたらした「源流」としての「構造改革」の思想・政策の核心的内容を説明せよ。
はじめに
現在の日本経済は、リーマンショック以来のアメリカ経済の低迷、ギリシアの財政危機による通貨ユーロの下落などをうけて、深刻な円高に悩まされ、それが輸出の不振につながっており、国内のリストラや産業空洞化が進みつつある。また、東日本大震災と福島第一原発事故による景気の落ち込みは激しく、復興需要が景気を押し上げるとのシナリオも実現していないといえる。
近年の日本経済を振り返ってみると、2002年初を景気の底として、2007年10月まで拡張し、その後の後退期間は2009年3月までで、現在は景気の拡張期間と見られている(内閣府の発表による)。しかし、その中味を見ると、中小企業や家計(個人)部門にはまったくといっていいほど景気の回復は生じておらず、むしろ状況はなお悪化を続けている。このようなことの原因については、景気の構造変化、あるいはそ...