日本自然保護協会による白神山地保護運動
青森県と秋田県の県境に世界遺産・白神山地がある。太古からの自然が残る場所であるが、どのような経緯で世界遺産に認められるに至ったのか調べてみると、日本自然保護協会という環境団体が大きく関わっていることがわかってきた。
白神山地は自然的特徴は戦後の開発後でさえも原生的ブナ林が16,000ha残っているということにある。しかし、1982年3月、そこに青秋林道という白神山地を縦断する道路の建設が持ち上がった。この目的は、林業労務者の有効活用、木材の生産性向上、流通の促進、地域経済の交流と観光のルート、治山・砂防の整備などが挙げられていた。特に過疎化が進む周辺地域の振興への願望が強かった。
まず、この計画に対して反発したのが、「秋田自然を守る友の会」である。82年4月には「会の総力を挙げて白神山地のブナ原生林を守ることを確認」し、5月には「秋田県野鳥の会」らとともに、秋田県に対して「青秋林道の建設阻止」についての要望書を提出している。83年1月には「白神山地のブナ原生林を守る会」が結成された。また、同様に青森県側でも、「青森県自然保護の会」「日本野鳥の会弘...