資料の分類はなぜ必要か述べなさい。
図書館を構成する基本要素のひとつにある資料の目的は、時代に対応して変遷している。図書館は、まず、資料の保存機能を中心として発展してきた。古代・中世においては資料等を利用するための識字能力をもつ者は少数であり、同時に資料として記録ができる者も限られていたため、生産される資料そのものが貴重な存在であった。したがって図書館は利用という面よりは、保存に重点をおき、保存を主たる目的として実施されてきた。やがて活字印刷術の発明は、資料の大量生産を可能とし、多数の人が利用できるようになると、利用に重点をおくようになる。公共図書館が普及するようになると、利用者が資料へのアクセスを容易にする工夫と技術を準備する必要があった。資料に溢れている現代社会では、分類は資料へのアクセスを助ける重要な役割を担うといえる。資料の利用者提供までに、資料を収集・整理・保存・提供といった手順を踏む。資料を整理することは、資料組織化といわれ、図書館業務全体の中で重要な役割を担っている。大きく目録作業と分類作業に分かれる。
分類とは個々の事物や知識を類似の程度によりグループ化し、さらにグ...