沖縄における「火」の神と「日」の神についての係わり合いについて。主におもろそうしの観点から、沖縄にはどのような独特の世界観・生死観があるのかを論じる、また、沖縄の遺跡についての詳細と太陽信仰のつながりなど。
本レポートでは、沖縄における「火」の神と「日」の神についての係わり合いについて論述する。
沖縄には、グスクに太陽崇拝を想起させる造りが見られる。浦添グスクでは昇ってくる太陽の光がアーチ型の石の門の向こう側から差し込み、神々しい演出が醸し出される造りになっている(そこを通り抜けると王の墓がある庭がある)。また、世界遺産の斎場御嶽でも久高島の方角から日が昇るのが見える。その際、三角形のトンネルがある三角岩に太陽の光が差し込む。太陽は東から昇り西へ沈むが、地を巡って再び東から昇ってくる不滅のものという生死循環の思想がある。上記のような造りには「洞窟(地中)の向こうに太陽」という概念が現れており、洞窟型のトンネルを通じてニライカナイへ行くというイメージを連想できる。アーチ型の門が少し小さめに作られているのは、神聖な場所へ踏み込む時に一度自然に頭を下げさせるような造りになっているとのことだった。
沖縄ではニライカナイともう一つ、天上のオボツカグラという世界観もあり、太陽神はここにいると考えられた。按司時代になると、火の神は太陽神、つまり日の神と融合していく。これは按司を「太陽神の子孫」として...