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はじめに、日本において近代的な学校制度が始まったのは、言うまでもなく明治時代である。
江戸時代は、武士階級の子どもを意図的、組織的に教育するために、人材育成の場として幕府や諸藩は学問所が設けられ、学問所には7~14歳頃に入学し、遅くとも20歳前後で修了していた。一方、武士階級以外の一般庶民は、いわゆる「寺子屋」という手習い所で学業を修めさせていたのである。それまでの日本の学問は世襲制をもって伝承されていたが、時代の変化とともに寺子屋の発展という形で門戸が開かれたのである。この時代の学校は、貨幣経済が発展し、商業を担ううえで必要な手習いや読み、書き、算を教えるところであり、「寺子屋」は商業の進展を助長し、近代化の基礎を築いたとされている。寺子屋教育は密接な師弟関係から生まれる教育であり、地域に根を下した師匠が常に寺子一人ひとりの家職を考えて教材を自主編成しつつ、寺子の学習進度に見合った教材を提供しながら教育活動を進めていくといった特徴がある。寺子屋は庶民の中で生まれ庶民の中で育成されたことから、今日の初等教育の先駆であり明治以降の小学校教育に与えた影響は非常に大きいものであった。
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