2012年度に出題されている設題です。
あくまで参考資料としてご利用ください。
Z1110 教育相談の研究 科目最終試験 予想解答
【設題】青年期(中・高校生)の心理的諸問題とカウンセリングについて述べよ。
青年期には性的成熟にともなう急激な身体的変化が現れ、心理的には内省的傾向、自我意識の高まりが生じる。特に高校生になると、進路選択や同性・異性の友人関係などに悩みながら、「自分とは何か」を考え、自立に向けての準備を進める。フランスの思想家ルソーは、大人になることを「第2の誕生」と呼んだ。この言葉に代表されるように、アイデンティティの確立は、青年期において極めて重要な課題である。
まず親子関係において、心理的離乳が進むにつれて親を一人の人間として客観的に見る目ができてくるため、子どもは親に失望したり、嫌悪感を抱いたりして不安定になりがちである。特に中学生頃のこの現象は非常に顕著であるため、「第2次反抗期」と呼ばれる。自分の内面を判ってほしいという切望と共に、内面を知られたくないという強い葛藤を抱きやすいということも特徴である。この年代の子どもには、このような葛藤が「わけのわからないイライラ」「なんとなくしんどい」という形でしか体験されないことも多い。こうした心理...