「やさしさの精神病理」を読んで
「やさしさの精神病理を読んで」
「僕はつくづくこうした“やさしさ”とは何なのかと考えこんでしまいました。電車で老人に席を譲らない“やさしさ”、上司の前で黙り込んで返事をしない“やさしさ”、そして“やさしく”叱ってほしいと思うこと。いずれも何と“やさしさ”の意味がねじれてしまっていることでしょう。」この文章を読んだとき、“やさしさ”について本気で考えた。この本に出てくる実例やその人たちの言い分に使われている“やさしさ”の意味が私にはわかるからだ。電車で老人に席を譲ろうとすると大抵断られる。快く「ありがとう」と座ってくれる人もたくさんいるのだが中には「まだそんなに老いぼれてない!」と怒り出す人もい...