グループワークの特性、展開過程や精神保健福祉士の役割についてまとめています。
グループワークは、利用者の個々の課題解決を小集団の場でおこなうという技法である。その特性は、構成員である数人の利用者と援助者との協働のもと、話し合いという技法を中心に、構成員が相互作用の影響を受け、解決と成長を可能にしようとするところにある。グループワークの展開過程は「準備期」、「開始期」、「作業期」、「終結期」の四つの段階に分けられる。なお、これらの四つの段階の区分けは、あくまでも標準的なグループワークを想定した援助全体の流れを説明上分類したものであり、実際には明瞭に区分できない場合もある。以下にこの四つの段階について述べていくこととする。
「準備期」とは、グループワークを開始する前の段階であってメンバー同士が顔を合わせる以前の時期である。この段階では、精神保健福祉士は、所属組織内の理解を得たり、グループの目的・目標、構成、援助期間を決めたり、プログラム活動を立案したりなど、活動のためのさまざまな準備を行う。またこの段階で、援助者はメンバーについての情報を集め、予備的接触を行い、自己覚知することで援助者としての自分自身をより深く理解するように努める。これは「波長合わせ」と呼ばれる...