近年の我が国の刑事政策において解決しなければならない重要な課題の1つとして、矯正施設出所後の再犯対策が挙げられる。日本の現行法は自由刑として懲役、禁錮、拘留の3種類を規定、このうち懲役と禁錮は共に受刑者を刑事施設に拘置し 、拘禁、社会的隔離、社会復帰をその目的としている。有罪判決が確定し実刑という形で刑の執行力が及んだ者は服役し、刑の執行終了後社会に戻っていくが、社会に戻る段階ではもはや刑の執行力は及ばないものの刑の言い渡しの効力は失われず、いわゆる「前科者」として生きていくこととなる。こうした自由刑の執行を受けた「前科者」が出所後再び犯罪に手を染めることなくスムースに社会復帰をできるようにするために、どのような対策が必要となるのか。
近年の我が国の刑事政策において解決しなければならない重要な課題の1つとして、矯
正施設出所後の再犯対策が挙げられる。日本の現行法は自由刑として懲役、禁錮、拘留の 3
種類を規定、このうち懲役と禁錮は共に受刑者を刑事施設に拘置し
i、拘禁、社会的隔離、
社会復帰をその目的としている。有罪判決が確定し実刑という形で刑の執行力が及んだ者
は服役し、刑の執行終了後社会に戻っていくが、社会に戻る段階ではもはや刑の執行力は
及ばないものの刑の言い渡しの効力は失われず、いわゆる「前科者」として生きていくこ
ととなる。こうした自由刑の執行を受けた「前科者」が出所後再び犯罪に手を染めること
なくスムースに社会復帰をできるようにするために、どのような対策が必要となるのか。
2004 年 11 月 17 日に前科者による再犯事件として奈良女児誘拐殺害事件が発生し、2005
年 2 月 4 日には、仮釈放者による再犯事件として愛知県安城市幼児通り魔事件が、そして、
2005 年 5 月 11 日には執行猶予者による再犯事件として連続女性監禁事件が発生している。
2009 年 10 月 ...