中央大学法学部、通信、憲法、レポート公務員の政治的行為、B評価
(一)日本国憲法の改正手続きに関する法律の附則11条は「公務員が国民投票に際して行う憲法改正に関する賛否の勧誘その他の意見の表明が制限されないよう、公務員の政治的行為の制限に関し現行法の規定に検討を加え必要な法制上の措置を講ずる」としている。
この附則11条がいう公務員の政治的行為とはどのようなものをさし、現行法・最高裁判例はどのような扱いをしているのか、また、公務員の意見表明を制限しないことによりもたらされる利益と不利益とはどのようなものがあるかを、以下に紹介し論評する。
まず現行法における公務員の政治的行為の制限に関する規制として国家公務員法102条1項があり①政党または政治目的のために寄付金その他の利益を求め、もしくは受領すること(1項)②公選による公職の候補者となること(2項)③政党その他の政治団体の役員、顧問となること(3項)を禁止し、選挙権の行使を除くほか、人事院規則で定める政治的行為をしてはならない(1項)違反行為には懲戒処分だけでなく刑事制裁も与えられる。
ここで、附則11条との間で問題となるのは人事院規則14-7①政党、内閣 特定の政党その他の政治的団体を...